平成30年3月2日

◯五十一番(いなもと和仁君) 三日ほど前から新聞に花粉情報が載るようになりました。けさ見ましたけれども、きょうは愛知県やや多目と、そんな情報が載っております。この花粉はもちろん、これからPM二・五、そして黄砂と、アレルギーを持つ人たちには大変つらい時期がやってまいります。
 そこで、まず初めに、本県のアレルギー疾患対策からお尋ねをいたします。
 ことしもまたインフルエンザが全国で猛威を振るい、連日過去最多の患者数を更新いたしました。かつてインフルエンザは、解熱剤を服用し、数日安静をすることしか治療方法はありませんでしたが、数年前に、抗原検出キットで十分から十五分判定し、抗インフルエンザ薬の投与という治療方法が確立されました。
 当初は、一日二回五日間の服用、次に、一日二回五日間の吸入、そして今では、一回の吸入でウイルスの増殖を抑える薬も開発され、さらに、一回の服用で十分効果のある薬も承認され、今月発売されるとのこととなりました。
 医学の目覚ましい進歩とともに、本来人間の持つ自然治癒力、そして抵抗力の低下が懸念されますが、インフルエンザもピークを過ぎ、いよいよ花粉の時期となってまいりました。
 この地方でも、既に二月上旬からスギ花粉の飛散が始まっており、日本気象協会が発表した今春の花粉飛散予測によりますと、スギ花粉のピークは名古屋が三月上旬から中旬にかけて、ヒノキ花粉のピークは四月上旬から中旬の見込みとされ、飛散量は、過去十年の平均値ではやや少ないものの、前季との比ではことしは非常に多いとされております。議場の皆さんの中にももう、マスクをかけ、鼻がむずむずする、そして目がかゆいといった症状が出ている人もおみえになると思います。今や三人に一人が花粉症とされ、多くの人にとって大変悩ましいアレルギーの季節であります。
 アレルギー疾患とは、食物や花粉など、本来体に無害な物質をアレルゲンと認識し、過剰な免疫反応であるアレルギー反応を起こすことで生じる疾患の総称であり、花粉やハウスダスト、食物など、身近にあるさまざまな物質がなり得る可能性があります。
 そして、国民の二人に一人が、気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー等のアレルギー疾患に罹患しているとも言われており、年々ますます増加傾向にあります。
 また、近年、花粉症の患者さんがリンゴなどの果実によって口腔内のアレルギー症状が起こることが知られるようになり、口腔アレルギー症候群と呼ばれております。
 具体例を挙げますと、スギ花粉の患者とトマト、ブタクサアレルギーの患者とスイカ、メロンなど、花粉症の方の持つ抗体と地野菜や果実のアレルゲンとが反応しアレルギーが起こる交差反応により発症し、唇が腫れる、唇の周りがかゆくなる、そして、症状がひどいとアナフィラキシーショックを引き起こすこともあります。
 このように、アレルギーは、皮膚科、眼科、呼吸器科など多くの診療科にまたがる疾病であり、各診療科の連携が必要であります。また、地域によっては適切なアレルギー疾患医療を受けられる体制の整備が進んでおらず、情報が少ないため、インターネット等にあふれている情報を信じて自己判断で民間療法を行ったり、治療を受けたとしてもアレルギー疾患の症状に応じたふさわしい医療でなかったことなどにより、重症化することがあります。
 そのため、アレルギー疾患のある患者さんがどの地域にお住まいになっていても、適切なアレルギー疾患医療が受けられるようにしていくための医療提供体制づくりが重要であると私は考えております。
 例えば、地域の診療所のかかりつけ医やかかりつけ薬剤師などの医療従事者を対象に、高度なアレルギー疾患医療を専門的に行う医療機関が、気管支ぜんそくやアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など、主要なアレルギー疾患ごとの研修会を開催することにより、科学的見地に基づいた最新の診療方法や薬剤の使用、管理方法のガイドラインの普及を図ることにより、県内のどの地域にお住まいになっていても適切な医療が受けられるようになります。
 また、最新の診療方法などの研修を受けたかかりつけ医やかかりつけ薬剤師が勤務する診療所や薬局とアレルギー疾患医療の専門病院との連携体制、ネットワークづくりを構築することも重要であり、連携体制も含め、アレルギー疾患に関する適切な情報を県民に公表する仕組みづくりも大切なことではないでしょうか。
 このようなさまざまなアレルギー疾患に関する課題に対応するため、国や地方公共団体、医療関係者等の責務を規定したアレルギー疾患対策基本法が、議員立法により、平成二十六年六月二十七日に公布され、同二十七年十二月二十五日に施行されました。
 この法律の第三条の基本理念では、アレルギー疾患を有する人が居住する地域にかかわらず、ひとしく科学的知見に基づく適切なアレルギーに係る医療を受けることができるようにすることが規定されております。
 また、国民がアレルギー疾患に関し適切な情報を入手することができるとともに、アレルギー疾患にかかった場合には、その状態や置かれている環境に応じ、生活の質の維持、向上のための支援を受けることができるよう、体制整備がなされることも規定されております。
 また、法第五条には、地方公共団体の責務として、地方公共団体は基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的にその地域の特性に応じた施策を策定し、実施するように努めなければならないとされており、法第十一条において、厚生労働大臣はアレルギー疾患対策の総合的な推進を図るため、アレルギー疾患対策基本指針を定めなければならないとされております。
 これを踏まえ、国は、平成二十九年三月二十一日に、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針、いわゆる基本指針を策定し、各都道府県知事に向けて通知をしております。
 基本指針は、基本的な事項や、アレルギー疾患に関する啓発や知識の普及、医療提供体制の確保、調査、研究など、大きく分けて五つの事項が定められております。
 とりわけ医療提供体制の確保では、国立成育医療研究センター及び国立病院機構相模原病院を全国的な拠点となる医療機関とし、地域の拠点となる医療機関の役割や機能及び当該医療機関とかかりつけ医との間の連携協力体制に関する検討を行い、検討結果に基づいた体制を整備するとしております。
 そこで、国は、検討を進め、各都道府県において適切なアレルギー疾患の医療提供体制の整備を図るよう、都道府県におけるアレルギー疾患の医療提供体制の整備について、いわゆるガイドラインを平成二十九年七月二十八日に各都道府県に通知しており、この一連の動きはまさしく私が今まで考えてきたとおりでございます。
 今後、なるべく早い段階で、県は、アレルギー疾患の適切な医療を受けられる体制の整備やアレルギー疾患患者の方々を支援するための取り組みを計画的に進めていかなければならないと考えておりますが、本県では、平成三十年度当初予算にアレルギー疾患対策関連予算を盛り込み、アレルギー対策に取り組んでいくとしております。
 そこで二点お尋ねをいたします。
 本県でアレルギー疾患に対する対策はこれまでどのように取り組まれていたのか、そして、あわせてアレルギー疾患に対する総合的な施策を今後どのように取り組まれていかれるのか、お尋ねをいたします。
 次に、創業・ベンチャー企業支援についてお尋ねをいたします。
 中小・小規模企業は、それぞれの創意工夫によって新たな事業や商品、サービスを生み出すとともに、地域における新たな雇用を創出するなど、地域経済の活力の維持、向上の源となる存在であります。また、中小・小規模企業は、地域に根差した活動を通じて地域社会に貢献する役割も担っております。
 愛知県は、製造品出荷額が四十年連続全国一位を続ける物づくり王国であり、自動車、航空機、工作機械など製造業分野が本県の成長を支えておりますが、県内企業の九九%以上を占める中小・小規模企業が重要な役割を果たしてきたことは言うまでもないことであります。
 しかしながら、社会経済構造が変化する中、中小・小規模企業数は年々減少をしております。全国では、平成十八年の四百十九万七千七百十九社から平成二十八年には三百八十万九千二百二十八社となり、わずか十年に三十八万八千四百九十一社、九・三%減少をしております。
 同様に、本県においても、平成十八年の二十三万九千百五社から平成二十八年には二十二万七百六十七社と、一万八千三百三十八社、全国数値よりやや少ないものの七・七%の減少となっており、地域を支えてきた中小・小規模企業の減少により地域の活力が失われることが懸念されているところであります。
 企業の減少を食いとめるためには、廃業を減らしていくことはもちろんでありますが、新たな地域経済活性化の担い手となる創業者をふやしていくことも重要であると考えております。
 県では、平成二十七年十二月に策定した、あいち産業労働ビジョン二〇一六─二〇二〇において、開業率を平成三十二年までに六%、平成四十二年までに七%とする目標を設定し、全国トップレベルの水準に引き上げることを掲げております。
 国の調査によれば、これまで創業希望者の多数を占めていた六十歳未満の男性に加え、近年、女性や六十歳以上の創業希望者が増加をしております。その特徴として、女性については、男性と比べ、子育てや介護等、生活のニーズに基づく生活関連サービス業、娯楽業、趣味や特技等を生かした教育、学習支援業等の分野での創業が多く、六十歳以上の方々については、これまでの職歴を生かした経営コンサルタントや営業代行等のサービス業の割合が高くなっております。
 こうした地域に根差した創業を可能にするためには、創業希望者のリスクを最小限に抑えるための支援が必要であると考えております。
 そこで、まず最初の質問といたしまして、本県では生活に密着したサービス業を中心とする創業を希望する方々に対しどのような支援を行っているのか、お尋ねをいたします。
 そして、その一方で、未曽有の超高齢社会、人口減少の進行や、これに伴う生産年齢人口の減少、世界経済のグローバル化の一層の進展、イノベーション創出や物づくり革新に向けた世界的競争の激化、IoTを初めとした産業のあり方のみならず、ライフスタイルをも革新する可能性を有する新たな概念の台頭をビジネスチャンスとして捉え、これまでに考えつかなかったような技術やビジネスモデルを用いて急速かつ大きな成長を目指す、いわゆるスタートアップと言われる方々が存在をいたします。
 平成二十八年四月に日本経済再生本部が決定したベンチャー・チャレンジ二〇二〇において、IoT、BD、ビッグデータですね、AI時代の到来により、ビジネスや社会のあり方そのものを根底から揺り動かす第四次産業革命が急速に進展している、ビジネスモデルは劇的に変化しつつある、陳腐化も早いが、斬新なアイデアや技術を武器にした思い切った挑戦による爆発的な成長も可能である、機動的な意思決定のもと、迅速かつ大胆な挑戦が可能なベンチャーこそが次世代の経済成長の中核とならなければならないとしているとおり、斬新な発想を生かしたスタートアップは大きな成長に結びつく可能性があります。
 また、さまざまな人々、特に若い方々が次々に起業し、成功した起業家が新たなスタートアップを支援するなど、スタートアップ育成の好循環が持続することは本県の活性化に大きく寄与するものと考えております。
 本県がその産業競争力を今後も維持し、成長していくためには、先ほど述べた生活に密着したサービス業を中心とする創業支援が重要であることは言うまでもないことでありますが、新しいアイデアを持つ人材やスタートアップの活力を取り組んでいく必要もあるのではないでしょうか。
 そのためには、まず、斬新な技術やビジネスモデルを用い、急速かつ大きな成長を目指す、いわゆるスタートアップを志す人材の掘り起こしに取り組んでいくことが重要であります。
 そこで、県ではスタートアップを志す人材の掘り起こしにどのように取り組まれるのか、お尋ねをいたします。
 最後に、青少年の適正なインターネット利用についてお尋ねをいたします。
 家族から、お父さん、そろそろスマホにかえやと何度も言われながらも、そだねーとは言わずに、かたくなにガラケーにこだわり、LINEはもとより、ツイッター、フェイスブック、さらには青少年が気軽に写真を投稿しているインスタグラムなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス、いわゆるSNSとは全く無縁で、インスタ映えしない私があえてこの問題について質問をいたします。
 近年のスマートフォンの普及は著しく、最近では、自動車等の運転中のながらスマホによる交通事故も社会的な問題となっております。
 一昨年十月、一宮市で、スマートフォンでゲームをしながらトラックを運転し、小学校四年生の男子をはねて死亡させた事故は、大変悲惨な事故として我々の記憶に新しいところであります。
 また、先月には、神奈川県川崎市で、スマートフォンを操作しながら自転車に乗っていた女子大生が歩行中の女性と衝突し、死亡させ、女子大生が重過失致死の疑いで書類送検されたとの報道もあったところであります。
 スマートフォンの利用率は、先月末に内閣府が発表した平成二十九年度の青少年のインターネット利用環境実態調査によりますと、小学生二九・九%、中学生五八・一%、高校生にあっては九五・九%と、ほとんどの高校生がスマートフォンを利用しており、青少年を取り巻くインターネット環境は大きく変化をしております。
 今さら私が言うまでもなく、インターネットは世界中と瞬時につながり、そこにはたくさんの情報があふれており、時間や場所を問わず情報収集ができるほか、世界中の多くの人と交流することができます。また、災害時には、安否確認を行う有効な手段としてSNSが利用されております。
 さらに、学校の教育の現場において、私が小学校のころは定規やコンパスをランドセルの中に入れて通学をしておりましたが、今ではスマートフォンやタブレット端末を利用した、そして子供たち一人一人がそれを持って学校に通う、そんな授業も始まりつつあります。
 こうしたインターネット環境の充実により、私たちの生活はますます便利になってまいりました。しかし、その反面、先ほどのお話にもありましたけれども、インターネットにはアダルトサイトや出会い系サイト、暴力や残虐な映像を集めたサイトなど、青少年の健全育成上好ましくない情報もあふれております。
 私自身、無意識に開いていたアダルトサイトに勝手に手が動き、クリックをし、高額な請求書が届き、家族にも相談できず悩んだ、そんなこともありました。大人はもちろん、青少年がインターネットを介して犯罪やトラブルに巻き込まれる事案が後を絶ちません。
 これも平成二十九年度の内閣府の調査でありますが、青少年のインターネット利用について何らかの管理を行っている保護者は全体で八四・四%となっておりますが、その内訳を見ると、子供のネット利用状況を把握している、大人の目の届く範囲で使わせているなど、ある意味あやふやなものであり、犯罪やトラブルに巻き込まれる危険性のある有害サイトへのアクセスを制限するフィルタリングという確実な手段の設定率は四四%と、半数以下にとどまっております。
 このことから、スマートフォンを買い与える保護者に、スマートフォンの利用に潜む危険性やフィルタリングの必要性について、十分に理解が広がっていないのではないかと感じております。
 昨年十月に発覚した神奈川県座間市での殺人死体遺棄事件では、被害者九名の中に三名の青少年も含まれておりました。報道によれば、この事件は、加害者がSNSを利用して、自殺願望を投稿するなどした青少年の心の叫びにつけ込み、言葉巧みに誘い出して殺害するという極めて卑劣な手口を使った犯行でありました。
 また、先月には、SNSに家出したいと投稿した神奈川県の小学校五年生の女子を自宅へ連れ込んだとして、誘拐容疑で容疑者が逮捕されたとの記事も見たところであります。
 こういった事件のように、最近ではフィルタリングを設定しても避けることのできない被害やトラブルも発生しており、インターネット環境の中で青少年は常に危険にさらされていると言わざるを得ない状況となっております。
 昨年十月に警察庁が発表した平成二十九年上半期におけるコミュニティーサイトに起因する性的被害などを受けた児童数は九百十九人と、過去最多となっております。
 その被害の状況を見てみますと、コミュニティーサイトへのアクセス手段は約九割がスマートフォンで、特にツイッターを利用した被害児童は三百二十七人と、全被害児童数の三分の一を超えております。
 こうした犯罪やトラブルから青少年を守るためには、まず私たち大人がインターネットに潜む危険性やその対策を理解し、家庭や地域といった身近なところで子供たちを守る取り組みが大切であると考えております。
 そこでお尋ねをいたします。
 青少年がインターネットのトラブルに巻き込まれることのないよう、県は今後どのような取り組みを実施していくのかお尋ねをいたしまして、私の壇上からの質問といたします。ありがとうございました。(拍手)

◯健康福祉部保健医療局長(松本一年君) アレルギー疾患対策に関する御質問のうち、まず、これまでの取り組みについてお答えいたします。
 県におきましては、これまでアレルギーの原因に応じて個別に対策を進めてまいりました。
 例えば、花粉症につきましては、平成元年から、花粉症の予防方法や毎日の花粉飛散状況を、愛知県花粉情報として、全国に先駆けてファクスや県のホームページを活用して情報発信してまいりました。
 また、建築材料から発生する化学物質などが原因となり鼻水や頭痛等の症状が生じる、いわゆるシックハウス症候群の対策といたしましては、平成三年から保健所に相談窓口を設置するとともに、予防方法を県ホームページに掲載する等の取り組みを行い、平成十四年には県庁内に対策推進会議を設置し、関係部局の連携を強化しております。
 そのほかには、アレルギー性の慢性疾患を持つ子供に関する相談受け付けや家庭訪問を保健所で行っております。
 食物アレルギーに関しましては、教育委員会において平成二十二年に学校給食における対応の手引を作成しております。その後、文部科学省から示された対応指針に基づいて平成二十八年に、学校給食にとどまらず、食物アレルギー全般の基礎知識を内容とする手引に改訂し、教職員、児童生徒及び保護者の理解を一層深めるように取り組みを行ってきたところでございます。
 次に、今後の取り組みについてお答えいたします。
 議員お示しのとおり、現在、国民の二人に一人が何らかのアレルギー疾患を有していると言われており、さまざまな要因がアレルギーの発症や重症化にかかわることから、総合的な対策の推進が必要であると考えております。
 そこで、県では、今年度中に策定いたします愛知県地域保健医療計画において、新たにアレルギー疾患対策を位置づけ、施策の充実を図っていくことといたしました。
 具体的には、アレルギー疾患に対する医療の中心的役割を果たす拠点病院を県が複数指定し、この拠点病院において内科や皮膚科など関連する複数の診療科が連携し、重症及び難治性アレルギー疾患の正確な診断と治療を行うとともに、医療従事者等に対する研修や、患者やその家族の方々に対する適切な情報提供等を実施してまいります。
 さらに、拠点病院、医師会、患者等を構成員とする地域連絡協議会を新たに設置し、この協議会において拠点病院を中心とする診療連携体制の整備、情報提供、人材育成等の施策の企画、立案等を行ってまいります。
 県といたしましては、アレルギー疾患を有する人が、住んでいる地域にかかわらず、ひとしく適切な医療を受けられるよう、アレルギー疾患対策の充実にしっかりと取り組んでまいります。

◯産業労働部長(吉澤隆君) 創業・ベンチャー企業支援に関する御質問のうち、まず、サービス業等の創業を希望される方々への支援についてお答えいたします。
 県といたしましては、飲食関係、美容関係といった生活に密着したサービス業については、創業を目指す皆様が行う準備段階での支援と、事業をしっかりと成長軌道に乗せていくための創業後の資金面、人材面での支援が重要と考えております。
 このうち、まず、準備段階の支援については、あいち産業振興機構に創業プラザあいちを設置し、準備に必要な機材を備えた創業準備スペースを六カ月間無料で提供するとともに、中小企業診断士等の専門家が創業コーディネーターとして、事業計画のつくり方、マーケティングの実施方法など、創業に関するさまざまな悩みにお答えをしております。
 また、同プラザでは、創業に必要となる経営知識、ノウハウを体系的に習得していただくためのあいち創業道場や、平日多忙なサラリーマンの皆様方を対象とした土曜集中講座を開講しています。
 次に、創業後の成長支援については、今年度から新たに、創業後五年程度までの小規模企業の皆様を対象に、事業の継続、発展に向け、必要なノウハウや人材育成等について学んでいただくセミナーを開催しております。
 また、県の制度融資におきまして、創業者の資金繰りを支援するメニューを設けておりますが、来年度から、その金利を〇・四%引き下げるとともに、融資限度額を二千五百万円から三千五百万円に引き上げ、支援を強化してまいります。
 こうした取り組みを通じて、創業を希望される皆様がスムーズに事業を立ち上げ、継続的に成長することができるよう支援してまいります。
 次に、スタートアップを志す人材の掘り起こしについてお答えいたします。
 本県が強い産業競争力を今後も維持し、さらに成長していくためには、これまでに考えつかなかったような技術やビジネスモデルを用い、社会を大きく変え得る商品、サービスを創出して急速かつ大きな成長を目指す、いわゆるスタートアップと言われる企業のなり手をできるだけ多く本県から輩出していくことが重要であると考えております。
 このため、本県では、スタートアップを志す方々を掘り起こし、アイデアを事業構想として形にし、事業の立ち上げにつなげていくための支援を来年度から新たに開始いたします。
 具体的には、まず、社会人や学生を中心に斬新なアイデアを持った方々の参加を募り、金曜日の夜から日曜日までを使い、先輩起業家等によるアドバイスを受け、参加者がお互いに切磋琢磨しながらそれぞれのアイデアを集中的に練り上げる、ウィークエンド・スタートアップ・キャンプを開催します。
 次に、キャンプ終了後には、おおむね三カ月間にわたってさまざまな分野のスペシャリストのアドバイスを受けながら、事業構想として完成させます。
 そして、最終的に、創業間もない中小企業に対して出資する個人投資家、いわゆるエンジェルを初めとする支援主体に対して自身の事業構想をプレゼンテーションし、交流する機会を設けます。
 これらの取り組みにより、若い人材を初めとする愛知の志ある方々がみずからの可能性に気づき、スタートアップに挑戦することを県としてもしっかりと後押ししてまいります。

◯県民生活部長(鳥居保博君) 青少年がインターネットを利用する際、トラブルに巻き込まれないための今後の取り組みについてお答えします。
 インターネット上の有害情報から青少年を守るためには、こうしたサイトへのアクセスを制限するフィルタリングの設定が有効なことから、本県では、青少年保護育成条例において、スマートフォンの販売店に対し、設定についての保護者への説明と設定しない場合の書面による確認を義務づけております。
 また、保護者に対してフィルタリングの必要性を周知するため、平成二十六年度から体験!体感!スマホ教室を開催し、インターネットトラブルの実態やその対策を伝えてまいりました。これまで延べ二万八千人の方々に御参加いただいておりますが、最近のスマートフォン利用の急速な伸びを見ますと、さらに多くの方々への啓発を続けていく必要があると考えております。
 また、SNSを介して青少年が犯罪に巻き込まれるなど、仮にフィルタリングを設定したとしても防ぐことのできないトラブルを回避するためには、子供がSNSを利用する際の基本的な注意点を具体的に啓発することが必要であります。
 そのため、フィルタリングの必要性はもとより、子供の成長段階別に、起こりやすいトラブルや保護者が子供に守らせるべきルール、例えば、個人情報はインターネット上に公開しない、SNSで知り合った人と直接会わないといった内容を取りまとめたテキストを来年度新たに作成し、保護者や教員を対象としたワークショップなどを通じてきめ細かく伝えるとともに、ウエブでも公開し、周知を図ってまいります。
 こうした取り組みにより、フィルタリングの普及啓発を図るとともに、新たにSNSの利用の際の注意点についても啓発を行い、青少年をインターネットのトラブルから守ってまいります。